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<デッサン初心者向け>立方体を上手く描く方法(モチーフ)


 

デッサンの基礎と言えば立方体ですが、ちゃんと描こうとすると意外に難しいです。

また、講師の経験上、その難しさは陰影を描くことではなく形をとることだと思います。

そんな立方体の形が上手く描けない人向けに講師が考えた方法を紹介します。

 

先に簡単に説明すると、

・10cmぐらいの透明で同じサイズの立方体を2つ用意する(100均でも買えます)。

・1つは縁をマジックなどで塗る(形を描くための輪郭線が全て見える)

・もう一つはグレーに塗る(陰影がわかりやすい)

・モチーフの下に紙を敷いてセッティングしたら、印をつけてモチーフがいつでも入れ替え出来るようにする。

 

こんな感じです。

以下、詳しく説明します。

前半にこのモチーフを使う理由後半にモチーフの作り方を書いています。

 

 

 

 

 


上で紹介したモチーフを使うと、なぜわかりやすいのか?


最初に描きましたが、デッサン初心者が立方体を描く時に特に苦労するのは「形」です。

講師が特に生徒さんに話しているのは「物の形を観察して形を描く力」と「物の陰影を描く力」は別の能力ということです。

1つの事でも難しいのに、この2つがあるから初心者には難しい訳です。

デッサンや絵に限らず、何かを始めるときには最初から多くのことをやりすぎないことや、補助や省略が出来る場合には積極的にすることを強くオススメします。

一番大切なのは、楽しく継続が出来ることです。 

継続出来れば、後でおぼえれることも出来ます。

 

例えば、自転車を乗る場合、

・補助輪は「ペダルを漕いで、バランスをとるための補助器具」

・ペダルがないストライダーは「ペダルで漕ぐ要素を無くて、バランスをとる練習」など

こんなことが考えられます。

マラソンがしたいからといって、最初からフルマラソンをする人もいないと思います。

 

最初に紹介したモチーフは、

 

・形を描く時は縁が赤く塗られた物を使う

・陰影を描く場合はグレーの立方体を使う。

 

という方法になります。

また、立方体の下に紙を敷いて、同じ位置にセッティング出来るように印をつけます。

そうすれば、いつでも立方体の入れ替えが出来ます。

 

 

 

 

モチーフの下に紙をセッティングしたら、位置の印を鉛筆などでつけましょう。

 

 

 

ちなみに、立方体の形を描くときに初心者が苦労しやすいポイントを以下のブログで紹介しています。

<立方体の形が上手く描けない人向けのモチーフ(デッサン、絵画全般)>

 

また、デッサンのモチーフの色というと白だと思いますが、講師はグレーをオススメします。

詳しくは以下のブログで解説をしています。

<デッサン初心者向けのモチーフの色は「グレー」がオススメ<背景の白色問題>」>

簡単に説明すると、周りの空間が白い場合、グレーだと実際の明暗との違いがほぼ無いからです。

背景が白の場合、その背景がモチーフよりも暗くなってしまう部分があるので、実際の明暗で描くには背景を暗く描く必要があります。

ただ、これは初心者には難しすぎます。

 

後は、描くときの注意として

・イーゼルを使って画面を立る。

・出来るだけ同じ視点になるように位置を決めたら、そこから椅子や首を動かさない。

・はかり棒を使って、モチーフと画面を比較しながら描く。

・「完全に正確な形」は描けないので、自分で違和感がないぐらいに描けたら、陰影を描く。

こんなことを気をつけてみましょう。

 

「イーゼル」「はかり棒」などデッサン道具についてはこちらのブログで詳しく紹介しています

<2000円以下でも揃う!気軽に始めるデッサンに必要な道具(初心者向け)>

 

 


モチーフ制作に必要なもの


・10cm程度の透明な箱(クリアケース)2個

 ダイソー、キャンドゥ、セリアなので9cmの物があるのでオススメです。

 今回はこれを使用しています。

 必ず同じサイズのものを2個揃えましょう。

 モチーフは小さいと細部が分かりづらいので最低限このくらいのサイズのものを揃えましょう。

 

 

・マジックなど

 立方体の縁を塗るために必要です。

 マジックよりもポスカの方が不透明でより線が見やすいです。

 実はマジックで縁を塗らなくても、箱の継ぎ目の線が見えるのですが、塗っておいたほうがわかりやすいです。

 

 

・グレーのアクリル絵具と筆

 立方体を塗るのに使います。

 

 注意点としてグレーを混ぜて作る場合は、多めに作る必要があります。

 後から同じ色を作ろうとしても出来ないので注意しましょう。

 ちなみに、グレーの絵具を買うと楽です。

 

 

<あればより良いもの>

・紙ヤスリ(240番~320番程度)

 立方体の表面を削ってアクリル絵具を付きやすくします。

 無くても塗れると思いますが、絵具が剥がれやすくなります。

 

・瞬間接着剤

 透明な箱を接着するために使います。

 無くてもいいですが、講師は使っています。

 

 

 


100均で売っている9cmの立方体(アクリルケース)

10cm程度の立方体であれば小さいチューブの量でで大丈夫です。



モチーフの作り方


<グレーの立方体>

①接着剤がある場合は箱を接着する。

②紙ヤスリがある場合はまずヤスリで表面にキズをつけて絵具がつきやすくしましょう(上の写真右側がその状態です)

③アクリル絵具を塗る前に石鹸や洗剤で表面の油を取りましょう。

 表面が透けないでしっかり塗れたら完成。

 

 

 

<縁が塗ってある立方体>

①石鹸や洗剤で洗って表面の油をとる(面倒くさければ省略も可)

②接着剤があれば接着する

③縁をマジックやポスカで塗る。

 

 

 



 

今のところ講師が考えた中では、この描き方が一番わかりやすいと思います。

また、今回の話は一人でも学べる方法ですが、「講師に直接教えてほしい」、「立方体は描けたけど、さらにいろいろ身につけたい!」など

あれば教室まで気軽にお問い合わせ下さい。