
油絵の画用液(溶き油)はいろいろな性質なものがあり、どれを買えばいいかわからないと悩んでしまう方がいると思います。
今回は、私も使用しているお勧めな画用液をお勧めします。
【おすすめ一覧】
- テレピン(ターペンタイン)
- ホルベイン クイックドライングメディウム
- サンシックンドリンシードオイル
- マツダ 特製ペンティングオイル
- ホルベイン スペシャルマットペンチングオイル(リンシードベース)
以下、簡単に説明していきます。
あと、最後にその他、特に受験生にお勧めのものも少し紹介します。
①テレピン
- 松の木から取れる天然の樹脂(松ヤニ)を蒸留して作った液体
- 絵の具を薄めたり、筆を洗うのにも使えます(しかし洗う用途で使うのはもったいないです)
- 揮発性で乾燥が早い
- 乾燥後はツヤはなく、多めに使うとざらついた表情になる
- 絵具を溶かす性質があるので、基本は序盤に使うことが多い、あえてテレピンで絵具を落として描く方法もあります。
- 乾燥が遅い他の画用液に混ぜると、乾燥を早めるが入れすぎると絵具が溶けやすくなる
②ホルベイン クイックドライングメディウム
- 乾燥促進に重点をおき、スタンドオイル、樹脂、ペトロールや乾燥促進剤を混合した調合された画用液。
- とにかく乾燥が早いので、重ね塗りなども時間を短縮できる。
- 強い光沢と、黄変のない丈夫な画面をつくれる。
- あまり大量に使うとベトつく。
- 講師的には少量のテレピンを加えると、少しツヤが抑えられ、更に乾燥が早くなるのでお勧め。
③サンシックンドリンシードオイル
- リンシードオイルよりも、乾燥が早く、ツヤが強く、黄変しにくく、粘度はトロっとしている。
- 皮膚などの繊細な変化の質感を描くに適している
- トロっとしているので画面の表面に薄い膜ができるような質感になる
- 講師的には、リンシードオイルよりも乾燥が早いといっても遅いので、クイックドイングメディムと少量のテレピンを混ぜたものに入れて、粘度や乾燥の調整をして使うことをお勧め。
- 上記の用途であれば55mlのサイズで十分
④マツダ 特性ペインティングオイル
- ポピーオイルとペトロールの混合液に樹脂や乾燥剤を加えたもの。
- 速乾性ではなく、講師的には、広い面のグラデーションなどにお勧め。
- 何回もグラデーションの調整で刷毛で描いても非常に絵具が剥がれづらい。
- 講師的には、そのまま使うと乾燥が遅すぎるため、ある程度テレピンと混ぜて使うとグラデーションと乾燥のバランスがとれるのでお勧め。
- しかし、テレピンを入れすぎると絵具が溶けて剥がれやすくなるので注意。
⑤ホルベイン スペシャルマットペンチングオイル
- 特殊加工したシリカにスタンドリンシードオイルを加え調合した溶き油で、乾燥後にツヤ消しの画面になる。
- 講師的にはこれ単体で使わないで、上記のクイックドイングメディムなどを使用時にツヤを抑えたいときに少量いれて調整するのがお勧め。
- 上記の用途であれば55mlのサイズで十分
その他:受験生にお勧めなもの(速乾系の商品)
油絵の特に受験の場合、とにかく早く乾燥されるのが重要になります。
速乾メディウムは当たり前として、画用液や絵具も速乾性の方が基本的にいいと思います。
- 速乾メディウムではホルベインの「ラピットメディウム」が絵具に近い粘度で乾燥も早くお勧め。
- ペインティングオイル系で、講師が昔試した中で一番乾燥が早かったのがマツダの「クイック画用液 クリスタルパンドルスペシャル」でツヤが凄く強いですがお勧め。
- 上記の他にマツダなど各メーカーのクイック系の画用液はお勧め。
- 絵具はマツダの「クイック絵具」だと、通常1週間で乾く絵具が1日で乾くということでお勧め。
↑写真は250mlのビンですが商品は55mlなので注意
以上、お勧めの画用液の紹介でした。
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