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美術系の受験について


(2024/11/2,2025/4/11幅に追記・修正)

 

 

アトリエもりのさとでは、数は多くありませんが、受験対策を目的に通っている生徒さんもいらっしゃいます。

今回は、受験対策としてご入会を検討されている方の参考になればと思い、その様子についてご紹介したいと思います。

 


教室の合格実績


2018年 神奈川県立白山高校

2021年 神奈川工業高校デザイン科、横浜美術大学美術学部美術デザイン科

2022年 神奈川県立弥栄高校美術科、日々輝学園高校

2024年 女子美術大学美術学科立体アート専攻

  

アトリエもりのさとは受験対策専門の予備校ではありませんが、ご希望があれば受験に向けた指導も行っています。

現在は主に、美術系の高校受験に向けたデッサン指導が中心で、幾何形体を立体的に描く練習や、さまざまな質感を描き分ける練習などを行っています。

 

ありがたいことに、これまで教室で受験指導を行った生徒さんは、皆さん無事に合格されています。

 


教室に通う期間について


受験内容にもよりますが、少なくとも1年間、週1回以上のペースで通われることをおすすめします。

また、どんなに遅くとも受験の1年前までには、「どの学校の、どの学科を受験するのか」を決めておくことが大前提です。

1年間あれば、デッサンの経験がまったくなくても、ある程度の力を身につけることができます。
さらに、1年以上かけて準備すれば、基礎力をよりしっかりと身につけたり、応用的な力を育てたりすることも可能です。

 

志望校は、できれば受験の2年前、夏〜秋ごろには決めておきましょう。

大学などでは、ゴールデンウィーク前後のオープンキャンパス、秋の学園祭シーズン、2〜4月に開催される卒業制作展などがあります。
そういったイベントに足を運び、その学校の生徒がどんな作品を作っているのか、学校の雰囲気はどうかを体験してみてください。
これは受験へのモチベーションにもつながりますし、面接がある場合には「一度も学校を訪れていない」というのは印象としてあまり良くありません。

また、興味のある学校の公式SNSもフォローして、最新情報をこまめにチェックしておきましょう。

 

 

加えて、出来るだけ教室の授業とは別に、週に1枚以上自分で描くこともおすすめします。
自宅で描くのが難しい場合は、学校の美術室を使わせてもらえることもあるので、美術部に入っていなくても「受験対策として使用したい」と相談してみるとよいでしょう。

 


受験対策の具体的な指導方法


たとえば高校受験の場合、実技試験の時間はおおよそ1.5〜3時間程度のことが多いようです。

試験時間は比較的短いですが、ゆっくり時間をかけて描けない人が、限られた時間内でしっかり描くことはまずできません。

なぜなら、「短時間で描く」ということは、「時間をかけて描く過程を効率よく、合理的に進めること」だからです。

 

これはこの教室に限らず、基本的な考え方だと思いますが、まずは時間をかけて丁寧に描くことから始め、観察力や描画技術を身につけたうえで、徐々に試験時間内で仕上げられるように練習していきます。

具体的には、受験の直前(およそ2ヶ月前)から、短時間で描ききるためのプロセスの組み立てや、面接練習なども始めていきます。

面接では、入退室を含む所作や基本的な受け答えに加えて、より実践的な練習も行います。

面接に自信がなかった生徒さんが、本番では落ち着いてしっかりと受け答えができ、「うまくできました!」という嬉しいご報告をいただいたこともあります。

 

 


レベルの高い美大の受験を考えている方へ


この教室の方針として、東京芸術大学、多摩美術大学、東京造形大学、武蔵野美術大学など、レベルの高い美術大学を目指す方には、当教室(個人経営の教室)よりも美術予備校をおすすめしています。

こうした大学を受験した経験のある絵画教室の講師であれば、多くの場合、同じ考えを持っていると思います。
逆に、そうでない場合は、その教室で本当に対応できるのか、少し慎重に見極めた方がよいかもしれません。

ただし、美大受験に関する知識がまだない方は、一度教室にご相談いただくのもよいと思います。

 

というのも、上記の大学の入試では、単にモチーフを正確に描けるだけでは不十分だからです。
むしろ「正確に描けること」は前提であり、そのうえで「何を表現したのか?」が問われます。
つまり、求められるものは単なる技術のレベルではなく、次元そのものが異なると言えるでしょう。

 

近年は受験者数の減少により、難易度が下がってきているとも言われていますが、それでもこの点は他の美術大学との大きな違いです。

また、当教室をあまりおすすめしない理由の一つに、「同じ志を持つ仲間が多い環境に身を置くことの重要性」があります。
受験生が多い場所では、多様な表現に触れ、互いに刺激を受けながら成長することができます。

 

美大を目指す多くの人たちは、もともと学校の中で「上手い」と言われてきた経験を持っています。
そうした人たちの中で、自分よりも上手な作品に出会ったり、描き方を学んだりすることは、非常に大きな成長のきっかけになります。

少人数制の教室では、どうしても視野が狭くなりがちで、たとえ合格できたとしても、その後の成長が難しくなることもあります。

 

さらに、自分に合った先生に出会えるかどうかも、美大受験ではとても大切なポイントです。
私自身、予備校時代に尊敬できる先生と出会えたことが、今の活動の基盤になっています。
大学よりも、そこで得た学びの方が大きかったと感じるほどです。

大規模な予備校では複数の先生に出会えるため、自分に合った指導を受けられる可能性も高まります。

 

 

当教室では、生徒一人ひとりの志望校やレベルに応じて、「教室で学ぶべきか」「予備校に通うべきか」を丁寧に相談しながら進路を一緒に考えています。

 


受験生や保護者様は資料をいろいろ集めましょう


 

どの学校を目指すかは、受験の2年前の夏~秋頃までに決めておきましょう。

大学などでは、ゴールデンウィーク頃のオープンキャンパスや、秋の学園祭シーズン2~4月頃に開催される卒業制作展などの機会があります。
ぜひ実際に足を運んでみてください。

その学校の学生がどんな作品を作っているか、また学校の雰囲気を体験することはとても大切です。

自分が目指す学校について具体的なイメージを持つことができれば、受験勉強にもより集中しやすくなります。

また、面接がある学校の場合、一度も学校を訪れていないと、どうしても印象が良くない場合があります。

気になる学校の公式SNSなどは、ぜひフォローして最新情報をチェックしましょう。

 

また、学校の担任や美術の先生に積極的に相談してみること、興味のある学校の資料を集めることもとても重要です。
早めにいろいろな情報を集めておくことで、将来の選択肢が広がります。

 

美術系の進路は専門的な分野になるため、受験を考えている生徒さんや保護者の方には、わからないことも多いと思います。

学校の先生には早めに相談しておくと、気にかけてくださったり、必要なサポートをしてもらえることもあります。

 

以上、美術系受験についてのお話でした。