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あなたが思っているほど「白」は白くない 〜絵画全般に通じる色の話〜


 

 

今日、絵画教室で生徒さんにお話しした内容を、ブログでも共有したいと思います。

タイトルの通り、「白色って案外、白くない」というお話です。

(※写真は急遽撮影したので適当です)

 


実際の「白」を見てみると?


たとえば、上の画像をご覧ください。

  • ワインボトルのラベル
  • 木製のおもちゃのティーカップ
  • ウサギのぬいぐるみ

といった、いわゆる「白っぽい」モノが写っています。

これらの白色部分を、画像編集ソフトのスポイトツールで色抽出してみたものが、右の画像です。

 

するとどうでしょう?

抽出された色は、真っ白ではなく、どれもグレーがかっています。

背景の壁もグレー寄りなことがわかります。

 


「白色=チューブの白」と思っていませんか?


頭の中のイメージだけで「これは白だ!」と思い込み、チューブから出したままの白をそのまま塗ってしまうと、画面の中でそこだけ浮いてしまい、全体のバランスが崩れる原因になります。

実際の色をよく観察し、グレーに近い白や、光の影響を受けた微妙な色合いを見逃さないことが、絵の自然な仕上がりにつながります。

 

ちなみに、チューブの白色にもいろいろな種類があります。

 

 


まとめ:白は、単純じゃない。


「白」と一口に言っても、環境や素材によってその見え方はさまざまです。

観察する目を養って、「思い込みの白」に頼らない色使いを意識してみましょう。

色や絵の見え方が、より豊かになり、より魅力的作品になると思います。